2009年12月22日火曜日

エイズ治療薬の特許プール

国境なき医師団のプレスリリースによると、国際医薬品購入ファシリティ(UNITAID)が、エイズ治療薬の特許プールを運営するライセンス供与機関を創設することを決定したとのこと。
この特許プールは、発展途上国のHIV患者がより安価で効果的な治療を受けられるようにすることを目的としているそうです。

特許プールと言えば、MPEGのような標準化技術との関連が強いイメージがありますが、医薬品特許の世界にも、特許プールが導入されるのですね。
医薬品の世界では、発展途上国で強制実施権が発動される事例もあるようですが、特許プールは、それともまた違ったアプローチとして注目されるところです。どれだけ実効をあげられるのか、まだまだ未知数でしょうけれども。

製薬メーカーにしてみれば、治療薬開発に要した膨大な投資を回収しなければ事業として成り立ちませんし、そうしなければ、新たな治療薬の開発も困難です。ただその一方で、今すぐに治療薬を必要としている患者のところに充分に治療薬が届いていないという現実があります。
民間レベルだけでの解決は難しい性質の話ですから、UNITAIDのような、各国政府が協力する国際的な枠組みが必要なのでしょう。

UNITAIDは、ホームページによると、ブラジル、チリ、フランス、ノルウェー、英国の参加で2006年に設立された国際機関であり、2008年には参加国は29カ国にまでなっています。
日本はまだ参加してないみたいですね。。。でも、たとえばフランスは、フランスの空港を経由する航空券に対して航空券税を課していて、これをUNITAIDの資金としているようですので、フランスに旅行するだけでも、国際貢献ができるというわけです。

(H.O)

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