前回に引き続いて、翻訳関連のネタを。
PCT移行やパリルートでの外国出願の際などに、日本語明細書を英語等に翻訳するわけですけども、翻訳自体をしっかりすることも大事なのですが、日本語明細書を書く時点で、翻訳し易い文章構造にしておく、という考え方もありますね。
英語に翻訳し易い文章として、例えば、主語述語を省かない、といったことが言われます。
英語のSVOなどの文型に合わせた文章構造にしておく、とも言えるでしょうか。
ただ、言語学者の三上章氏が「象は鼻が長い」を例文として論じたように、日本語は主語を必要としない言語構造を有しているようです。英語の文型に合わせて無理に主語をはっきりさせた文章構造にすると、日本語としてはかえって不自然になることが多いでしょう。
なので、翻訳し易い日本語にしようとすると、日本語としての美しさは損なわれて、英文和訳した下手な翻訳文のような、ぎこちない印象を与える文章になりがちです。
でも、特許出願の明細書は、日本語としての美しさよりも、正しく翻訳され易いことを優先すべきだと僕は思いますね。
(H.O)
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