京都オフィスと同じビルに、びわこ銀行が入っていました。
でも、今日そこのATMに行ったら、いつの間にか関西アーバン銀行というところに変わってました。
3月1日付けで、びわこ銀行が関西アーバン銀行と合併して、びわこ銀行という名称は無くなってしまったようです。
しかも?関西アーバン銀行は三井住友銀行グループらしいです。
全然知らなかったですね。ATMに並んでいるときに、隣の人に「ここ、びわこ銀行だった場所でしょ?」と言われて、初めて気付きました。
相変わらず銀行再編が続いているのですね。
その影響か、僕の持っているMUFGのカード(旧UFJのカード)では、ATMでIC認証してくれなくなったようです。IC認証しないときの金額制限をかけているので、今日引き出そうとしていた金額は引き出せず。。。結局ローソンまで行って引き出しました。
前は確か IC認証して引き出せたと思ったのに。ちょっと不便になりました。
(H.O)
2010年3月1日月曜日
2010年2月28日日曜日
匂いおこせよ梅の花
東風(こち)吹かば匂いおこせよ梅の花 主(あるじ)なしとて春を忘るな
菅原道真
北野天満宮に、梅の花を見に行ってきました。
梅は見頃を迎えていました。大勢の人が訪れていて、とてもにぎやかな雰囲気でしたね。
左の写真は、しだれ梅?とでもいうのでしょうか。見事です。
お参りするのに行列ができています。
もちろんならんでお参りしました。
京都オフィスメンバーの弁理士試験合格と、自分がTOEICを受けるかもしれないのでその高得点を、厳かに?祈願いたしました。二礼、二拍手、一礼。
京都オフィスメンバーの弁理士試験合格と、自分がTOEICを受けるかもしれないのでその高得点を、厳かに?祈願いたしました。二礼、二拍手、一礼。
ついでに近くの大徳寺にも足をのばしてみました。
大徳寺には21もの塔頭寺院があって、広大な境内が形成されています。
写真は塔頭寺院の一つ、大仙院の門のあたり。
拝観はできるのですが、残念ながら撮影禁止でした。。。
この大仙院の本堂の中には茶室があって、そこではかつて、秀吉と利休が実際に茶の湯を楽しんでいたとか。
ここで秀吉が利休に花を生けるように言ったところ、利休は、床の間に花を生けるのではなく、茶室前の庭にある平らな石の上に水をうって、そこに花を置いたそうです。
風流ですな~
ちなみに、大徳寺の境内にやたらと着物姿の人が歩いているなと思ったら、今日はちょうど、裏千家の利休忌の茶会だったのですね。
利休ゆかりのお寺で茶会など、ぜひ参加してみたいものです。
春はもうすぐそこです。
(H.O)
2010年2月25日木曜日
知財高裁 平成 21年 (行ケ) 10148号 審決取消請求事件
共有に係る出願についてなされた審判請求の審判請求書の請求人欄に一部の共有者のみが記載されていたが、実際には共有者全員のために請求がなされたと推認できるから、補正を命じることなく請求を却下した審決は違法であるとした事例。
『(1)・・・特許を受ける権利の共有者の代理人が行った審判請求において,それが共有者全員の「共同して請求」したものに当たるかどうかについては,単に,審判請求書の請求人欄の記載のみによって判断すべきものではなく,その請求書の全趣旨を合理的に探求し,当該特許出願について特許庁側の知り得た事情等をも勘案して,総合的に判断すべきものである。
共有に係る特許を受ける権利についての審判請求のように,共有者の全員が共同して請求することが法律上の要件とされている場合において,共有者の全員それぞれからそのための委任を受けている代理人が,共有者の一部の者のためにのみ審判請求をし,その余の共有者のためにはこれを行わないときは,共有者全員の利益を害することになり,自ら審判請求の手続要件の欠缺をもたらし,拒絶査定を確定するにも等しいのであるから,代理人がこのような行動に出ることは合理的にみて考えられないことである。そうすると,代理人がこのような不合理な行為を行うのもやむを得ないとする特段の事情がない限り,当該審判請求は,たとえ,外観上共有者の一部の者のためにのみする旨の表示となっている場合であっても,実際には,共有者の全員のためにしたものと推認するのが相当である。
(2)本件においては,前記1認定のとおり,原告らは,いずれも日本国内に住所又は居所を有しない韓国法人であり,K弁理士は,原告両名から拒絶査定不服審判の請求を含む包括的な事項についての代理人であった(前記1(1)(3))。そして,本件拒絶査定の書面には原告三星(外1名)及びK弁理士の記載があったところ,K弁理士は,本件審判請求書に,請求人欄には原告三星のみの識別番号及び名称を,代理人欄にはK弁理士の名前を記載し,原査定を取り消し本願は特許をすべきものであるとの審決を求める旨の記載をしたものである(前記1(6)(7))。
このような事実関係の下においては,K弁理士による本件審判請求書を受理した特許庁としては,K弁理士が,原告両名のために審判を請求する代理権を有する者であることを知り得たのであるから,代理人がこのような不合理な行為を行うのもやむを得ないとする特段の事情が認められない本件においては,本件審判請求書の記載上は,原告チェイルのためにすることが明記されてはいないけれども,実際には,原告両名のためにしたものと推認され,代理人による本件審判の請求の法律的効果は,本人たる原告両名に帰属すると解すべきである。
・・・
被告は,審判請求書の審判請求人を追加又は変更することは,その要旨を変更するものであると主張する。
しかし,本件審判請求書の記載上,原告チェイルのためにすることが明記されてはいないけれども,その代理人による本件審判の請求の効果が本人たる原告両名に帰属するものと解すべき本件において,審判請求書の審判請求人を追加することは,単に方式の不備を補正することにすぎず,要旨変更には当たらないと解するべきである。』(判決文を一部改変)
平成21年11月19日判決言渡
(H.O)
『(1)・・・特許を受ける権利の共有者の代理人が行った審判請求において,それが共有者全員の「共同して請求」したものに当たるかどうかについては,単に,審判請求書の請求人欄の記載のみによって判断すべきものではなく,その請求書の全趣旨を合理的に探求し,当該特許出願について特許庁側の知り得た事情等をも勘案して,総合的に判断すべきものである。
共有に係る特許を受ける権利についての審判請求のように,共有者の全員が共同して請求することが法律上の要件とされている場合において,共有者の全員それぞれからそのための委任を受けている代理人が,共有者の一部の者のためにのみ審判請求をし,その余の共有者のためにはこれを行わないときは,共有者全員の利益を害することになり,自ら審判請求の手続要件の欠缺をもたらし,拒絶査定を確定するにも等しいのであるから,代理人がこのような行動に出ることは合理的にみて考えられないことである。そうすると,代理人がこのような不合理な行為を行うのもやむを得ないとする特段の事情がない限り,当該審判請求は,たとえ,外観上共有者の一部の者のためにのみする旨の表示となっている場合であっても,実際には,共有者の全員のためにしたものと推認するのが相当である。
(2)本件においては,前記1認定のとおり,原告らは,いずれも日本国内に住所又は居所を有しない韓国法人であり,K弁理士は,原告両名から拒絶査定不服審判の請求を含む包括的な事項についての代理人であった(前記1(1)(3))。そして,本件拒絶査定の書面には原告三星(外1名)及びK弁理士の記載があったところ,K弁理士は,本件審判請求書に,請求人欄には原告三星のみの識別番号及び名称を,代理人欄にはK弁理士の名前を記載し,原査定を取り消し本願は特許をすべきものであるとの審決を求める旨の記載をしたものである(前記1(6)(7))。
このような事実関係の下においては,K弁理士による本件審判請求書を受理した特許庁としては,K弁理士が,原告両名のために審判を請求する代理権を有する者であることを知り得たのであるから,代理人がこのような不合理な行為を行うのもやむを得ないとする特段の事情が認められない本件においては,本件審判請求書の記載上は,原告チェイルのためにすることが明記されてはいないけれども,実際には,原告両名のためにしたものと推認され,代理人による本件審判の請求の法律的効果は,本人たる原告両名に帰属すると解すべきである。
・・・
被告は,審判請求書の審判請求人を追加又は変更することは,その要旨を変更するものであると主張する。
しかし,本件審判請求書の記載上,原告チェイルのためにすることが明記されてはいないけれども,その代理人による本件審判の請求の効果が本人たる原告両名に帰属するものと解すべき本件において,審判請求書の審判請求人を追加することは,単に方式の不備を補正することにすぎず,要旨変更には当たらないと解するべきである。』(判決文を一部改変)
平成21年11月19日判決言渡
(H.O)
2010年2月24日水曜日
I shall be released
I see my light come shining
From the west unto the east.
Any day now, any day now,
I shall be released.
(I shall be released / Bob Dylan)
Bob DylanがI shall be releasedを録音したのは1967年のことです。
その頃はきっと、自由、解放を求める空気があったのだろうと思います。
今の時代、人々は自由であることに少し疲れていないでしょうか。
時代の空気は、自由というよりも、確かなもの、普遍的なものを求めているような気がします。
単に自分が年をとったからそう感じるだけなのかもしれませんが。
尾崎豊は、「自由っていったいなんだい」とか歌ってたっけ。
今の中高生は、そんな歌に熱くなったりするのかな。。。
(H.O)
2010年2月23日火曜日
知財高裁 平成 20年 (行ケ) 10483号 審決取消請求事件
化合物の発明について、補正後の請求項に係る発明は実施可能要件、サポート要件違反として補正却下した審決の判断を支持した上で、補正前の発明は先願明細書に記載の発明と同一ではないとして29条の2の拒絶審決を取り消した事例です。
先願明細書に化学物質の発明が記載されていたというためには、その有用性を当業者が認識できるような試験結果の記載が必要であるとしています。
『2 取消事由2について
・・・
(1) 審決は,本件補正によって実施例の化合物がクレームから除かれた結果,発明の詳細な説明には,本願補正発明の化合物につき具体的に製造した旨の記載はなく,その発光特性,発光の寿命,保存安定性について確認した旨の記載もないから,実施可能要件を満たさず,同様に,クレームの記載もサポート要件を満たさないとして,本件補正を却下した。
原告は上記の本件補正却下につき争っているところ,特許法(現行法)36条4項1号,6項1号所定の実施可能要件,サポート要件等の具備は,特許権の発生要件であるから,出願人が立証責任を負うというべきである(これに反する原告の主張は採用できない。)。
・・・
しかし,本件で提出された全証拠を精査してもなお,「本願補正発明における化合物の有機EL素子としての機能・性質に関し,『A』の部分(中心部)は重要ではなく周辺部分こそが重要である」,「『A』の部分が,本願明細書における実施例のものと異なる構造のものであっても,有機EL素子として実施例のものと同様の性質を有する」旨の原告の主張を裏付ける事実は認めることができない。逆に,前記1(3) キないしケからすれば,本願補正発明における化合物の有機EL素子としての性質(耐久性,融点)は,「A」の部分の構造により相当程度影響を受けるものと理解するのが相当である。
したがって,本件補正により実施例の化合物がクレームから除かれた結果,本願補正発明の化合物(「A」の部分につき実施例とは異なる構造を有するもの)の発光特性,発光の寿命,保存安定性等の有機EL素子としての有用性につき,発明の詳細な説明には記載がないことになるから,サポート要件を満たさないものというべきである。
・・・
3 取消事由1について
・・・
いわゆる化学物質の発明は,新規で,有用,すなわち産業上利用できる化学物質を提供することにその本質が存するから,その成立性が肯定されるためには,化学物質そのものが確認され,製造できるだけでは足りず,その有用性が明細書に開示されていることを必要とする。そして,化学物質の発明の成立のために必要な有用性があるというためには,用途発明で必要とされるような用途についての厳密な有用性が証明されることまでは必要としないが,一般に化学物質の発明の有用性をその化学構造だけから予測することは困難であり,試験してみなければ判明しないことは当業者の広く認識しているところである。したがって,化学物質の発明の有用性を知るには,実際に試験を行い,その試験結果から,当業者にその有用性が認識できることを必要とする。
・・・
「先願発明」の化合物については,先願明細書等の【化5】,【化16】で示された一般式に,抽象的には包含されるとしても,先願明細書等において,その構造につき具体的に記載されてはいない。
そして,上記【化5】【化16】に関しては,複数の化合物の組み合わせを表現したものにすぎず,ある化合物が明細書等において開示されているというためには,たとえ表の中であっても,具体的な構造(「先願発明」の化合物に関しては,メチル基を置換基として有する具体的構造)が特定して開示される必要があるというべきである。
なお,被告は,「同族列に所属する一連の化合物は,化学的性質が極めてよく似ていて,すべての化合物に共通の官能基に基づく同一の反応を示すから,化合物No.II-10 と『先願発明』の化合物も実質的に同視できる」旨主張するとともに,特許公報(乙4,5)の記載により,上記主張を補強している。
しかし,前記1(3) ウのとおり,化学大辞典(乙3)において,同族列として脂和脂肪酸のギ酸,酢酸などを例示しているが,これらの分子量の小さな化合物相互の関係と,本件での化合物No.II-10 と「先願発明」化合物のような分子量の大きな化合物相互の関係について,同一に扱ってよいかは不明というべきである。
また,前記1(3) エ,オからすれば,乙4,5で開示された,それぞれ同族列の関係にある各化合物の化学的性質(有機EL素子としての性質を含む。)が類似していることが認められるが,これが直ちに,化合物No.II-10 と「先願発明」化合物の関係にも適用できるか明らかではない上,特許法29条2項の進歩性を判断する場合であれば格別,同法29条の2第1項により先願発明との同一性を判断するに当たっては,化合物双方が同族列の関係にあることをもって,一方の化合物の記載により他方の化合物が「記載されているに等しい」と解するのは相当ではない(前述のとおり,一般に化学物質発明の有用性をその化学構造だけから予測することは困難であり,試験してみなければ判明しないことは当業者の広く認識するところであるからである。)。
・・・前述のとおり,特許法29条の2第1項による先願発明との同一性の判断は,同法29条2項の進歩性の判断とは異なるから,上記のような「公知技術」を安易に参酌して先願明細書等の記載を補充するのは相当ではなく,メチル基の有無を捨象して化合物No.II-10 と「先願発明」化合物を同視し,「先願発明」化合物が先願明細書等に実質的に記載されていたとみることは相当ではない。』
平成21年11月11日判決言渡
先願明細書に化学物質の発明が記載されていたというためには、その有用性を当業者が認識できるような試験結果の記載が必要であるとしています。
『2 取消事由2について
・・・
(1) 審決は,本件補正によって実施例の化合物がクレームから除かれた結果,発明の詳細な説明には,本願補正発明の化合物につき具体的に製造した旨の記載はなく,その発光特性,発光の寿命,保存安定性について確認した旨の記載もないから,実施可能要件を満たさず,同様に,クレームの記載もサポート要件を満たさないとして,本件補正を却下した。
原告は上記の本件補正却下につき争っているところ,特許法(現行法)36条4項1号,6項1号所定の実施可能要件,サポート要件等の具備は,特許権の発生要件であるから,出願人が立証責任を負うというべきである(これに反する原告の主張は採用できない。)。
・・・
しかし,本件で提出された全証拠を精査してもなお,「本願補正発明における化合物の有機EL素子としての機能・性質に関し,『A』の部分(中心部)は重要ではなく周辺部分こそが重要である」,「『A』の部分が,本願明細書における実施例のものと異なる構造のものであっても,有機EL素子として実施例のものと同様の性質を有する」旨の原告の主張を裏付ける事実は認めることができない。逆に,前記1(3) キないしケからすれば,本願補正発明における化合物の有機EL素子としての性質(耐久性,融点)は,「A」の部分の構造により相当程度影響を受けるものと理解するのが相当である。
したがって,本件補正により実施例の化合物がクレームから除かれた結果,本願補正発明の化合物(「A」の部分につき実施例とは異なる構造を有するもの)の発光特性,発光の寿命,保存安定性等の有機EL素子としての有用性につき,発明の詳細な説明には記載がないことになるから,サポート要件を満たさないものというべきである。
・・・
3 取消事由1について
・・・
いわゆる化学物質の発明は,新規で,有用,すなわち産業上利用できる化学物質を提供することにその本質が存するから,その成立性が肯定されるためには,化学物質そのものが確認され,製造できるだけでは足りず,その有用性が明細書に開示されていることを必要とする。そして,化学物質の発明の成立のために必要な有用性があるというためには,用途発明で必要とされるような用途についての厳密な有用性が証明されることまでは必要としないが,一般に化学物質の発明の有用性をその化学構造だけから予測することは困難であり,試験してみなければ判明しないことは当業者の広く認識しているところである。したがって,化学物質の発明の有用性を知るには,実際に試験を行い,その試験結果から,当業者にその有用性が認識できることを必要とする。
・・・
「先願発明」の化合物については,先願明細書等の【化5】,【化16】で示された一般式に,抽象的には包含されるとしても,先願明細書等において,その構造につき具体的に記載されてはいない。
そして,上記【化5】【化16】に関しては,複数の化合物の組み合わせを表現したものにすぎず,ある化合物が明細書等において開示されているというためには,たとえ表の中であっても,具体的な構造(「先願発明」の化合物に関しては,メチル基を置換基として有する具体的構造)が特定して開示される必要があるというべきである。
なお,被告は,「同族列に所属する一連の化合物は,化学的性質が極めてよく似ていて,すべての化合物に共通の官能基に基づく同一の反応を示すから,化合物No.II-10 と『先願発明』の化合物も実質的に同視できる」旨主張するとともに,特許公報(乙4,5)の記載により,上記主張を補強している。
しかし,前記1(3) ウのとおり,化学大辞典(乙3)において,同族列として脂和脂肪酸のギ酸,酢酸などを例示しているが,これらの分子量の小さな化合物相互の関係と,本件での化合物No.II-10 と「先願発明」化合物のような分子量の大きな化合物相互の関係について,同一に扱ってよいかは不明というべきである。
また,前記1(3) エ,オからすれば,乙4,5で開示された,それぞれ同族列の関係にある各化合物の化学的性質(有機EL素子としての性質を含む。)が類似していることが認められるが,これが直ちに,化合物No.II-10 と「先願発明」化合物の関係にも適用できるか明らかではない上,特許法29条2項の進歩性を判断する場合であれば格別,同法29条の2第1項により先願発明との同一性を判断するに当たっては,化合物双方が同族列の関係にあることをもって,一方の化合物の記載により他方の化合物が「記載されているに等しい」と解するのは相当ではない(前述のとおり,一般に化学物質発明の有用性をその化学構造だけから予測することは困難であり,試験してみなければ判明しないことは当業者の広く認識するところであるからである。)。
・・・前述のとおり,特許法29条の2第1項による先願発明との同一性の判断は,同法29条2項の進歩性の判断とは異なるから,上記のような「公知技術」を安易に参酌して先願明細書等の記載を補充するのは相当ではなく,メチル基の有無を捨象して化合物No.II-10 と「先願発明」化合物を同視し,「先願発明」化合物が先願明細書等に実質的に記載されていたとみることは相当ではない。』
平成21年11月11日判決言渡
2010年2月22日月曜日
知財高裁 平成 21年 (行ケ) 10081号 審決取消請求事件
相違点に係る構成を採用する解決課題ないし動機もないから、容易想到ではないと判断された事例です。構成が容易想到でなければ、効果が本願発明の構成特有のものでなくとも進歩性があると言っています。
『・・・これらのことから,引用文献には,動画像情報の基本ビットストリーム及び付加ビットストリーム,すなわち基本部分及び補足部分を分割して記憶することが記載されているといえる。
しかし,動画像情報を複数に分割して蓄積することが基本ビットストリーム及び付加ビットストリームをそれぞれ別の記録媒体に蓄積することを一義的に意味するものではなく,また,引用文献には,基本ビットストリーム及び付加ビットストリームをそれぞれ2個の記録媒体に分けて蓄積する構成とする解決課題ないし動機は記載されていないから,上記記載のみによっては,引用発明において前記構成要件①の構成を採用することが容易に想到し得たということはできない。
・・・
そうすると,引用発明は,利用者側の複合器がスケーラビリティ機能を持たないことを前提としており,基本ビットストリームと付加ビットストリームを含む記録媒体が更新処理器側に配置されていることは必須の構成であるから,基本ビットストリーム(基本部分)と付加ビットストリーム(補足部分)とがそれぞれ別の記録媒体に蓄積されていたとしても,利用者側に更新処理器(本願発明の併合手段に相当)を配置することやその一方を利用者側に配置し他方を通信ネットワーク(本願発明の伝送ラインに相当)を通じて利用者側にリンクする構成とすることは排除されているというべきであり,前記構成要件②の構成を採用することが引用文献に記載された課題から容易に想到し得たということはできない。
・・・
なお,引用文献(甲1,乙1)には,「2.ビットスケーラビリティの問題点」(72頁13行~73頁3行)の欄に,ビットストリームスケーラビリティには,階層符号化・復号器の低解像度用復号器で何らかの復号- 30 -処理をしなければ高解像度加増を再生することができず処理が複雑であること,復号器での処理量の負担が多くなること等の問題があったことが記載されており,上記引用発明の課題認識に至る過程で,利用者側の復号器が更新処理器の機能を備えた構成が示唆されているということもできる。
しかし,この場合においても,前記イのとおり,基本ビットストリーム及び付加ビットストリームをそれぞれ別の記録媒体に分けて蓄積する構成とする解決課題ないし動機は存在せず,仮に,基本ビットストリーム及び付加ビットストリームがそれぞれ別の記録媒体に分けて蓄積されていたとしても,その一方を利用者側に配置し他方を通信ネットワークを通じて利用者側にリンクする構成とする解決課題ないし動機も存在しないのであるから,前記構成要件①,②の構成を採用することが容易に想到し得たということはできない。
・・・
しかし,前記のとおり,引用発明においては,基本部分及び補足部分を別々の2個の記録媒体にそれぞれ記録することや,基本部分と補足部分とを併合する併合手段を利用者端末側に配置することが当業者が容易に想到し得る構成又は配置であるということができないのであるから,たとえ,原告が主張する効果が本願発明の構成特有のとはいえず,また,記録媒体の価格や視聴料金が適宜決められるものであるとしても,審決の判断に誤りがあるとする結論を左右するものではない。』
判決言渡 平成21年11月5日
(H.O)
『・・・これらのことから,引用文献には,動画像情報の基本ビットストリーム及び付加ビットストリーム,すなわち基本部分及び補足部分を分割して記憶することが記載されているといえる。
しかし,動画像情報を複数に分割して蓄積することが基本ビットストリーム及び付加ビットストリームをそれぞれ別の記録媒体に蓄積することを一義的に意味するものではなく,また,引用文献には,基本ビットストリーム及び付加ビットストリームをそれぞれ2個の記録媒体に分けて蓄積する構成とする解決課題ないし動機は記載されていないから,上記記載のみによっては,引用発明において前記構成要件①の構成を採用することが容易に想到し得たということはできない。
・・・
そうすると,引用発明は,利用者側の複合器がスケーラビリティ機能を持たないことを前提としており,基本ビットストリームと付加ビットストリームを含む記録媒体が更新処理器側に配置されていることは必須の構成であるから,基本ビットストリーム(基本部分)と付加ビットストリーム(補足部分)とがそれぞれ別の記録媒体に蓄積されていたとしても,利用者側に更新処理器(本願発明の併合手段に相当)を配置することやその一方を利用者側に配置し他方を通信ネットワーク(本願発明の伝送ラインに相当)を通じて利用者側にリンクする構成とすることは排除されているというべきであり,前記構成要件②の構成を採用することが引用文献に記載された課題から容易に想到し得たということはできない。
・・・
なお,引用文献(甲1,乙1)には,「2.ビットスケーラビリティの問題点」(72頁13行~73頁3行)の欄に,ビットストリームスケーラビリティには,階層符号化・復号器の低解像度用復号器で何らかの復号- 30 -処理をしなければ高解像度加増を再生することができず処理が複雑であること,復号器での処理量の負担が多くなること等の問題があったことが記載されており,上記引用発明の課題認識に至る過程で,利用者側の復号器が更新処理器の機能を備えた構成が示唆されているということもできる。
しかし,この場合においても,前記イのとおり,基本ビットストリーム及び付加ビットストリームをそれぞれ別の記録媒体に分けて蓄積する構成とする解決課題ないし動機は存在せず,仮に,基本ビットストリーム及び付加ビットストリームがそれぞれ別の記録媒体に分けて蓄積されていたとしても,その一方を利用者側に配置し他方を通信ネットワークを通じて利用者側にリンクする構成とする解決課題ないし動機も存在しないのであるから,前記構成要件①,②の構成を採用することが容易に想到し得たということはできない。
・・・
しかし,前記のとおり,引用発明においては,基本部分及び補足部分を別々の2個の記録媒体にそれぞれ記録することや,基本部分と補足部分とを併合する併合手段を利用者端末側に配置することが当業者が容易に想到し得る構成又は配置であるということができないのであるから,たとえ,原告が主張する効果が本願発明の構成特有のとはいえず,また,記録媒体の価格や視聴料金が適宜決められるものであるとしても,審決の判断に誤りがあるとする結論を左右するものではない。』
判決言渡 平成21年11月5日
(H.O)
2010年2月19日金曜日
判決例勉強会
今日の午後は、所内の判決例勉強会でした。
講師は、東京から来てくださった元特許庁のKさん、Aさんです。
今回のテーマは、進歩性と均等論でした。
今回は少し長時間でしたが、臨時参加の所長も交えて、いろいろと議論することができました。
明細書の書き方についてもいろいろ考えさせられます。
仕事の品質向上のために、日々勉強ですね。
(H.O)
講師は、東京から来てくださった元特許庁のKさん、Aさんです。
今回のテーマは、進歩性と均等論でした。
今回は少し長時間でしたが、臨時参加の所長も交えて、いろいろと議論することができました。
明細書の書き方についてもいろいろ考えさせられます。
仕事の品質向上のために、日々勉強ですね。
(H.O)
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